セッション第一節  霊的世界と地上世界の関係

ーーー最初の質問になります。マヤ様はどのような、ご存在なのでしょうか。それについては、ご自身から、ご説明いただけますでしょうか。

「はじめに、このセッションの機会を与えてくださったことに感謝させていただきます。まず、説明しておかなければならないことは、わたくしマヤは、あなた方と同じ人間存在であるということです。あなた方が住んでいる世界とは次元を異にする人格的存在です。わたくしには、あなた方、地上世界の存在を自分の目で直接に見ることはできません。あなた方も同様、わたしを見ることはできません。コミュニケーションは互いの意念の交換によって行われます。意念は次元を超えることができます。意念は自由意思の表現です。わたくしにはあなた方が使用する言語は理解できません。わたくしが住む世界のコミュニケーションは主にインスピレーションによって行なわれます。言語が使われることはありません。インスピレーションにより言語よりもはるかに多くの情報の交換が可能なのです。

わたくしマヤには地上世界での生活経験があります。ですので、あなた方が悩んでおられる様々な問題についても共有できる自信が持てています。これからのセッションで、わたくしの立場からの見識を述べさせていただける機会もあることは存じています。

わたくしの言葉から御察しの通り、輪廻転生も死後の世界も現実に存在いたします。しかし、これらはあなた方の既知の理解からは、少し距離があるものと言わなければなりません。わたくしの住む世界も一つの現実世界であることでは、あなた方の地上世界とかわるところはありません。互いの世界は類似しているところもあります。お互いに深く間連しあっています。共通のものがあるからこそ、こうしてコミュニケーションが可能なのです」


ーーー輪廻転生も死後世界観も宗教上の教義ということになるのではないかと思うのですが、マヤ様は既成の宗教とは違う教義を述べられているという理解でよろしいのでしょうか。

「曲解されると困るのですが、わたくしには既成の宗教を否定するような意図はありませんので、その点はよくご理解いただきたいと存じます。わたくしはただ事実を述べているだけです。わたくしがこれから述べてゆくことは、特定の宗教を深く信心されている方には、否定的な感情を呼び起こしてしまうものが含まれていることは、重々承知しております。科学の素養をお持ちの方のほうが、柔軟に受け止めていただける内容が多いかもしれません」


ーーー宗教の中心は神を信じることにあるわけですが、マヤ様は神については、どう、ご説明いただけるのでしょうか。

「神という存在をわたくしたちの限られた知識と経験から定義しようとするのは不可能であり間違っています。神は完全でありますが、わたくしたちは不完全な存在です。神は無限でありますが、わたくしたちは有限な存在です。神は非対称の存在でありますが、わたくしたちは対称的存在です。自然法則も摂理も神が顕現したものです。それ故、わたくしたちも神の一部です」


ーーー宗教に関わる質問を続けてさせていただきます。霊とか魂というのは宗教上馴染みがあるようで、理解できていないものなのですが。

「基本的であり重要なご質問であると存じます。霊は神の一部です。霊は自然法則であり摂理です。霊は生命です。魂は個性的実在です。それ故、人格的存在を含みます。人格的存在より未熟な存在ですが、動物にも魂があります」


ーーースピリチュアリズム関連の書籍を読んでみますと、死後の世界については霊界とか霊的世界、現世については物質世界と呼んでいるのがわかりますが、死後の世界と現世との関わりとか、あるいはこの二つの世界の違いというものが、読み手にとっては今ひとつ理解に遠いものがあるように思えてなりません。

「あなた方がスピリチュアリズムと呼んでいるものの定義が、わたくしにはよく理解できません。内容は19世紀半ば以降の霊的現象を扱ったものであることはわかります。同じはずの語義を著者によって違った呼び方をしてしまっているのも混乱の要因かもしれません。真理はひとつなはずなのですが、いくつもの解釈があるような印象の書き方もされているようです。
霊的世界と物質世界には境界と言えるものはありません。物質世界に霊的世界が深く浸透しているという言い方ができます。霊的法則が物質世界を構成しています。物質世界に生命が存在するのも霊的法則の働きがあるからです。すなわち霊的法則とは自然法則そのもののことです。
生命は霊であり物理現象ではありません、肉眼で見ることはできません。脳神経の働きが意識ではありません。意識は生命の働きそのものです。脳は意識の媒体に過ぎません。肉体は滅びますが生命は永遠のものです。肉体の死後も意識は存続します。死ぬとは意識の中心が物質世界から霊的世界に移行するだけのことです。
生命は物質世界にあるのではありません、現世に生まれた後も、死後も霊的世界に在るのです。すなわち、あなた方は現在も霊的世界の住人であるといえます」


ーーー現世である物質世界と霊界とは全く異なる世界であるのでしょうか。先ほどのご説明ではかなり似ているような印象がもてるのですが。

「物質世界が一様でなく、多様な様相を呈していますように、霊的世界は無限に多様です。物質世界に似ている世界もあります。霊的世界を実像に例えるのなら、物質世界は虚像にすぎません。物質世界に存在するものは全て、霊的世界にあるものが投影されたものです。光と影のような関係です。光がなければ影は存在できません。霊的世界が物質世界に似ているのでなく、物質世界が霊的世界に似ているという表現が正しいといえます」


ーーーご説明によれば、お互いの意念の交換によるコミュニケーションがインスピレーションであるという理解でよいと思うのですが。そのインスピレーションについて、詳しくご説明いただけますでしょうか。

「インスピレーションはあなた方が想像しているような、超常現象などではありません。地上世界における人と人とのコミュニケーショにおいてもインスピレーションは欠かせない道具と言っても良いくらいなものです。空気を読むとか読めないという例えも、インスピレーションが実在することを証明しているといえます。ただ、霊的世界の視点で見れば、かなり、お粗末な印象があります。地上世界のインスピレーションには人類進化の可能性がみてとれます。人類進化は何も肉体的なものだけではありません、インスピレーションが日常的なコミュニケーションのひとつとして、自由意思表現の手段として使われる時代がやがてやってくるはずです」


ーーーそれは、霊界のほうが、現世より進歩的な世界であるということになるのでしょうか。つまり、進化した時代にあると言えるわけでしょうか。

「そういう言い方は間違ってはいません。わたくしたち霊的世界の住人は、常に地上世界を先導する立場にあります。これは太古よりかわることのない、神が定めた地上世界を経綸するための原理といえるものです。地上世界における科学的成果、産業上の輝かしい成果は霊的世界が先導して成し遂げられたものです」


ーーーそれでは、地上世界の住人は霊界の操り人形に過ぎないということになるのですが。

「そういうことではありません。再度申し上げますが、あなたがた地上世界の住人も、霊的世界に属する存在であるということです。そのことをよく認識していただければ、自分たちの成し遂げた成果が、どの世界に属するものであるかは、おわかりになってくるはずです」


ーーー科学技術が悪用されたり、誤用されたるする例は、残念ながら後を絶ちません。例えば、原子力の軍事利用のなどは、その典型と言えるでしょう。霊界との関係で、これらの問題につては、どのように理解すればよろしいのでしょうか。

「それらの問題は、わたくしたち人間の不完全性に由来する問題でもあります。地上世界における悪事は、わたくしたち霊的世界においても責任を負わなければならない問題なのです。霊的世界も地上世界と同様、進化の途上にあることではかわるところはありません。霊的世界には神に近い聖域であるような高次元の世界が存在するのは事実です。地上世界とよく似たような低次元の世界があるのも事実です。様々な霊的次元から、物質的次元である地上世界へと意念が流れてきています。どの次元の意念に感応するかは、地上世界における、あなた方の精神の資質の問題です。精神が未成熟であれば、そのレベルに合った意念にしか感応できません。低次元の世界からは悪意としか思えないような意念が絶え間なく地上世界へと流れてきています。文明化とは、そう言った低次元の意念に感応しない社会を創造する行為でもあるのです。野蛮からの脱却には、絶えることのない人間精神の進化向上への努力が必要なのです。その実現には容易な道は用意されていません。暗さを経験してこそ、初めて光のありがたさが理解できてくるわけです」


ーーー原子力の平和利用について、どうお考えになりますか。ご存知だとは認識しておりますが、私の国では現在、そのことで大きな課題を抱える事態となっています。

「扱うのに困難な技術が存在することは、皆様も実感されている通りです。人は自らの不完全性ゆえに、全ての技術を正しく扱える段階には到達しておりません。別の手段も用意されております。既に、実現されているものもあります。求めよ、さらば与えられんという言葉はご存知でしょう。その言葉は、人類に示された教訓でもあるのです」


ーーー人類は何故、猿から現在のような姿に進化したのでしょうか。人類学者は環境への適応が進化であるという学説を唱えています。そうであれば、人間の精神面における発達や科学技術の進歩、そして文明の発達も環境への適応の結果であると言えてくるわけでしょうか。

「環境への適応が進化であるという学説にわたしも同意できます。人類は、現在も、その途上にあります。進化は終わることなく、未来永劫続くものです。人類は精神面においては、まだ、文明社会の環境に適応できている段階には至っていません。その進歩は極めて緩やかです。一方、科学技術は加速度的にその成果を現わし続けています。その格差から深刻な問題が生じています。地球的規模の環境問題はその典型と言えます。原子力発電所の深刻な問題も、その一例です。挙げればきりがありませんが、精神面での適応力の未熟さがこういう状況を生じさせていることは、よく認識していただかなければなりません。自ら招いた結果には、それ相応の償いが課せられます」


ーーー未来永劫と言われましたが、地球は太陽活動の影響でいずれは消滅することが科学的に理解されています。

「霊的世界が多次元であることは既にご説明しています。物質世界も同様多次元世界であることは、やがて、物理学と数理学の進歩とともに証明される日がやってくるはずです。人類は現在の次元に止まる存在ではありません。輪廻転生の原理は人類の生活の場を別の物理次元に移行させる働きを担っています。それ故、生命の輪廻転生は自然摂理のひとつであるといえるわけです。わたしは宗教の話をしているわけではありません。誤解のないよう、お願いいたします」


ーーー多次元宇宙の話は自分も聞いたことがあります。別次元にも、地球と同じような知的生命体が存在できる、あるいは存在しているという解釈は可能なのでしょうか。

「可能です。地球も多次元の惑星です。他の惑星も同様です。あなた方が住まう場所は既に配慮されているのです」